NOLICO’s diary

〝リスタート婚〟は私がつくった造語。結婚30年目の冬、それぞれの場で離れて暮らしていた夫と再び始まった二人の同居生活。同じ相手と再出発=リスタートした結婚生活で、新たに出逢った体験や発見をしたためてます。

リスタート婚は森の中(8)

みーんな『白馬の王子様』💕

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イザナギイザナミの物語は

凄まじい訣れで終わってしまうけど

 

ヨーロッパのファンタジーでは

辛い生活をしていた少女が

王子様に見染められ

虐待していた者たちをギャフンと言わせ

そのあとは幸せに暮らしましたとさ…

という物語が少なからず存在する。

 

そんな王子様との出会いを夢見る少女達に

「白馬の王子様なんていない。現実を見ろ」

なんて忠告(?)がなされたりするんだけど

 

ふと思ったんだよね。

 

『白馬の王子様』の定義を

限定しすぎじゃないか…って。

 

多くの場合

玉の輿に乗ることを意味してるし

 

多少広げた解釈でも

女性のありのままを受け入れたり

女性の要望を全て受け入れたりする

度量の大きな男性を表してたりする。

 

そして多くの場合

将来の安定や安心を与えてくれる存在

として使われてるんじゃないかな。

 

けれど物語の中の王子達は

見染めた女性に対して

未来の生活についての約束などしていない。

 

“君だけを愛し続ける”

くらいのことは言ってても

それは心の有り様であって

生活そのものとは関係がない。

 

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では、こんな風に考えたらどうだろう。

 

『白馬の王子様』とは

彼女が抜け出したい環境から連れ出してくれて

結婚の瞬間だけでも

期待通りの生活をさせてくれる存在…と。

 

シンデレラは

意地悪な継母や姉達との生活から解放され

アコガレのお城での生活が始まった。

(城の生活に憧れてるから

  舞踏会に行ったんだもんね)

ついでに二人の姉は盲になる

という仕返しもついてた。

 

白雪姫は

命を狙う継母の恐怖から解き放たれ

命の危険がない生活を開始した。

ここでも

継母は焼け死ぬという仕返し付き。

 

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現代なら…

 

周りから結婚を急かされてる

または

何らかの理由で結婚を焦る気にさせる環境

にいる女性が

そこから抜け出したいなら

 

結婚してくれるだけで

その男性は

間違いなく『白馬の王子様』だ。

 

たとえ

その後の日々の生活の中で

彼への不満が出てきたとしても

 

結婚した瞬間は

独身でいるプレッシャーから解放され

もはや結婚を焦る必要のない生活

つまり

彼女が望んだ生活ができる環境

を与えてもらったことになる。

 

ついでに言うなら

それまでストレスを与えていた何かに

一矢報いた気分にもしてくれる。

 

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ここで我が夫について見てみよう。

 

わたしは結婚を急かされてるわけでも

焦ってるわけでもなかった。

 

が、わたしにとって実家の環境は

モラハラの巣窟だった。

 

わたしが生まれた頃は

景気が良かったため

お手伝いさんや子守がいて

さらに祖母も同居していたので

両親はわたしの世話をする必要が

あまりなかった。

 

当時の羽振りの良さを

「わたしはあんた(わたしのこと)の

 おしめを洗ったこともないし

 お風呂に入れたこともないし

 おんぶしたこともない」

という表現で母は自慢していた。

 

(自慢にならない、と思うのだが…)

 

母でさえそうなのだから

父がいかにわたしの世話をしなかったかは

容易に想像がつく。

 

実際、わたしは父に懐かない子供だった。

 

ところが

わたしが5歳になる前に

会社が倒産!!!

 

多額の借金を抱え

すぐには収入の目処も立たないのに

わたしと乳児(妹)を育てねばならない

ボンビー生活に一気に落ちたのである。

 

もともと両親は

お坊ちゃん・お嬢さんで育っていた。

 

その環境の変化のストレスは

凄まじかっただろうし

どこかに捌け口がなければ

それこそ生きられなかっただろう。

 

しかし

お金のかかることはできない。

 

そこに

無力で抵抗できない

世話して育ててないから

愛情を感じない5歳児がいれば

八つ当たりの恰好の相手になる。

 

母方の祖父母が気づいて

庇ってくれたり

能力を認めてくれたりしたおかげで

勉強だけはできるようになり

 

両親の外面を満足させるレッテルを

身につけることができて

すこしはマシになったけど

 

理不尽なイビリは

完全に終わることはなかった。

 

それも

長女で跡継ぎだから厳しくしてる

という言い訳のもとに。

 

跡継ぎというからには

養子を取るしかないわけで

結婚したって逃げられない。

 

だから結婚そのものに

夢を描くこともなかった。

 

たまたま

淀川長治さんが生涯独身なのは

自分の家を潰すためと知ってからは

それだけが生きる支えになっていた。

 

わたしの代でこの家を終わらせる!!!

と強く心に決めたのだ。

 

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そんなときに出会ったのが夫だ。

 

典型的に外面のいい好青年で

しかも付き合いだした当初は

養子に入ってもいい

とまで言っていた。

 

その段階で我が両親

特に母親のお気に入りとなった彼は

後に自分の父親に諭され

やっぱり嫁に欲しいと言い出した!!!

 

付き合いそのものを邪魔されるかも

と覚悟したのだが

夫(当時は彼氏)は無頓着。

 

考えてみれば

すでに就職していて

仕事帰りにデートしてしまうのだから

親が止めようもなかったし

 

すっかりお気に入りになった青年に

今さら態度を変えるのも

難しかったらしい。

 

それでも

いざ結婚となれば大変だろう

と思っていたのに

 

「もう待てん。結婚するぞ」

と、夫(当時は彼氏)が自分の両親に

都合のいい日取りを伝えると

 

お義父さんがすぐ式場を押さえ

良さそうな新居を見つけて

その場所周辺の確認に行き…

とコチラの反応は完全無視で進めてくれた。

 

実際のところ

母親にアチラの動きを伝えても

大した反対もなくコトは進んだ。

 

家を潰す決心は母には伝えていたので

父にも話していたのかもしれない。

 

何かの時に

「別れさせようとも思ったけど…」

と父が口篭りながら呟いていたから。

 

そのかわり

「子供を一人目でも二人目でもいいから

 コチラの籍に入れろ」

と言われたので

 

少しでも時間を稼ぎたくて

即答で「二人目」と答えておいた。

 

ホントは一人目と言わせたかったらしく

不満げだったが

「それでいいんでしょ」と言うわたしに

それ以上は言えなかったようだ。

 

もっとも

二人目が生まれても

そんな口約束は

反故にするつもりだったが

 

幸い

それから2年後

妹にベタ惚れだった彼氏が

自分から養子に入ってくれたので

その心配はなくなった。

 

皮肉なもので

父は妹夫婦の養子婚約を病床で聞き

結婚式まではもたなかった。

 

あれほど拘った跡取りを

溺愛していた次女が

担ってくれると決まった一週間後に

三次元世界から旅立った。

 

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話を『白馬の王子様』に戻そう。

 

つまり夫との結婚は

 

逃げられないと諦めていた

モラハラ家族から引き離してくれて

 

実家とは全く別の場所で生活する

という希望通りの環境に

わたしを導いてくれたのだ。

 

ついでに

 

結婚の一番の障害となり

不本意な約束まで言わされた存在が

この世から卒業するのを

傍観者として冷静に関われる

という

ちょっとした仕返しも可能にしてくれた。

 

(後日、母についても同様な形がとれた)

 

もちろん

わたし自身の結婚生活全体は

安楽からはほど遠いし

 

結婚した時は『白馬の王子様』

だからと言って

離婚する人たちがいけないなんて

これっぽっちも思わない。

 

ただ見方を工夫すれば

 

結婚する時点においては

新郎は新婦にとって

みーんな『白馬の王子様』なのだなぁ〜❣️

 

そんな風に考えた記録を残したくて

今日は書いてみました(^^)

 

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